多分、青山さんは御承知だと思いますが、これは民間人の南喜一さんというのがアメリカの研究費と民間の寄付を集めて、一億近い金を集めて、郊外の国立に田宮博士が徳川研究所を作って、そうしてその開所式をやって製品ができ上ったのがこれです。これを分析してごらんなさい。大豆の数倍の栄養を持ち、ビタミンにおいてはこれにまさるものはない。
現在、私どもはこの徳川研究所の中の場所をできるだけ利用してやっておりますが、これでは限られた量しかできませんので、何とかして一エーカーないし二エーカー、一町歩かあるいはその半分くらいの面積の培養地を作りまして生産して、動物実験も盛んにやれるように、また食品化の研究も盛んにやれるように、何とかしたいと思います。 現在、私どもは文部省から大部分の研究費をいただいております。
また末梢神経の研究についての田崎一二、この人は徳川研究所の所員でありますが、この人の業績もまた世界的水準を抜いている。こういう医学者こそ、われわれは表彰の対象とすべき者ではないか。また原子学者として私たちが問題を取上げるならば、われわれは湯川秀樹博士を思い出さざるを得ない。